自作スピーカーの設計について



この設計編では、難しい計算をするのではなく、
どのように設計すれば簡単に製作できるかを考えてみたいと思います


サイズ

なぜ自作をするのか?と聞かれた場合
"自分の欲しいサイズのスピーカーが 売ってないから"
と答える人は多いと思います。私もその一人です。

スピーカー工作に関する本は数多く出版されていますので、
まずはその中から手頃なスピーカーを選びます。

例えば、内寸H200×W100×D100 という
密閉型のスピーカーがあるとします。容積は2リッターです。
このサイズを 内容積が変わらないように、自分流にアレンジします。
H100W100D200 でも2リッターですよね。
他の方式のスピーカーも同じ要領です。
ユニットの数が 倍になれば容積も倍です。
バスレフのダクトも、長さは変えず、面積を倍にします。
箱の形状によって音が変わることは確かですが、
変な音にはならないはずです。 (オリジナルの音が変でない場合)

サイズ変更の際気をつける点は、
ユニットの 取り付けが可能な範囲で行うということです。
バッフルの幅や奥行きを、狭くしすぎて
取り付け不可!なんてことにならないように!

音質

なぜ自作をするのか?と聞かれた場合
"自分の好きな音が出るスピーカーが 売ってないから"
と答える人は多いと思います。私もその一人です。

私はフルレンジのユニットが好きなので、フルレンジ一発か、
フルレンジ+トゥーイーター という構成で設計をします。(例外もありますが)
3ウェイ以上のスピーカーは作りません。
市販品に優れた物がたくさんあるからです。(それにお金もかかるし・・・本音)
マルチシステムまでいくと、自作の必要性が出てきますけど・・・。

組み立てと図面

なぜ自作をするのか?と聞かれた場合
"作るのが好きだから"
と答える人は多いと思います。 私もその一人です。

そして作るためには図面が必要です。
それから購入可能な板の寸法 も知る必要があります。
(お店によって取り扱っている板は様々です)。

基本の大きさは、1820×910です。
その他910×910、600、450、 /450×600、450、300/300×300
などなど。

板の厚みも、3、4、5.5 、9,12,15,18,21,24ミリ
などなど。
(板の厚みはバラツキが ありますので、
板を多く重ねる場合は必ず誤差が出ます。)

板取りには、ほんの少しコツがいります。
板を切る機械(パネルソー)の刃の厚みは3ミリあります。
したがって、幅150ミリの板を切り出す場合、
153ミリ必要ということになります。
また、ホームセンター(職人さん)によっては、
最初に板の端を数ミリ切り落とす場合もあるので
(汚れや打痕があったりした場合や、精度を出すためにカットします)、
板取りの際は更に余裕が必要です。

一回のカットは直線が基本です。
私の依頼する業者では、L字カットは出来ません。
どうしても必要なときは、職人さんの手作業になります。

木目も大切です。
完成したときに縦目になるか、横目になるかで、
かなり印象が違って きます。

”組立編”で製作したBHでは、バッフルとバッフルのすぐ下の板が、
ほぼつながって いますので、木目もつながるように図面を書いています。
(カットの際、必ず木目 がつながることを、カット業者に伝えましょう。
でないと勝手に順番を変えられてしまう ことがあります。
正方形のバッフルに、センターを外して穴を開ける際も、
上下を逆さまに しないよう伝えましょう。)

四角い箱を作るときは、かならず外板で内板を挟み込むようにして作ります。
(難しく作る必要はないでしょう)
そして、板取の図面を書く際、 内板は出来るだけ同じ列に収めます。
そうすれば、幅の誤差が少なくなります。(図1)



<図1>*実際には、上、下などは記入しません

組み立てやすさも重要です。

”組立編”で製作したBHは、側板を取り付けるまで、
釘も ハタガネも使用していません。すべて手で圧着です。
添木が必要ならば、板取図面に入れておきます。
設計時に組み立ての手順も考えておきましょう。


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